本校高等部職業科~在校生の声・卒業生の声~

本校高等部職業科~在校生の声・卒業生の声~

在校生の声

※Aさん:20代、弱視男性
 Bさん:20代、全盲男性
 Cさん:40代、弱視女性

Q1.本校の入学相談を受けようと決めたきっかけは? また、情報は何ですか?

A1.
  Aさん:名古屋市のリハビリテーションセンターで紹介していただきました。
  Bさん:知り合いの紹介です。
Cさん:美容鍼灸を受けました。名古屋市内の専門学校に連絡したところ、名古屋盲学校を教えてくださいました。

Q2. 鍼灸マッサージの魅力は何だと思いますか?
A2.
  Aさん:医療や保健、スポーツなどの分野で活躍できるところです。
  Bさん:直接人と関わり、直接感謝の言葉が聞けるところです。
  Cさん:眼の病気が進行しても続けられる、長く働くこともできるので自分の将来が見通せるところです。また、医療や介護以外にも、美容やスポーツ分野など、いろいろな職域があるところも魅力です。それになんといっても、前の職場は視覚障害を意識させられるところでしたが、免許を取りその後も努力すれば、健常者と対等に社会で活躍できますし、直接人と関わり、直接感謝の言葉が聞けることが大きな魅力だと感じました。

Q3.学校生活の魅力は何ですか?
A3.
  Aさん:歩行や点字、音声パソコンなど、視覚障害を補うのに有効な手立てを知ることができること。視覚障害のある仲間、先生と出会えること。こうしたことが魅力だと思います。
  Bさん:視覚障害スポーツや楽器演奏をする機会があることです。
Cさん:視覚障害を補うのに有効な手立てや障害者福祉制度を知れたこと、それまで知らなかった外部の支援機関とつながることができることは大きいと思います。また、寄宿舎やスクールバスがあるので、通学の困難が軽減できたこともとても助かりました。視覚障害のある先生がいて、画像にたよらない授業の工夫がなされているので、視覚障害があっても安心して学べるところはとても大きな魅力です。

Q4.思い出の行事、思い出の出来事があれば教えてもらえますか?
A4.
  Bさん:1年生の文化祭で、体育館でみんなと楽しく吹奏楽の演奏ができたことが一番の思い出です。
  Cさん:視覚障害を理由にしないで見えなくてもできる方法を教えてもらえたこと。眼疾が進行していくときに、同じ経験をした先生や仲間が共感してくれたこと。それでも進行するのは嫌ですが、それが怖くなくなったことです。

Q5. 熱心に話を聞いてくれた先生との思い出、熱心に指導してくれた先生との思い出があれば教えてもらえますか?
A5.
  Aさん:初めて1年生で鍼の操作を学んだとき、わからないことを聞いたときなど、とても丁寧に細かく教えてくださいました。
  Bさん:勉強で挫折したときに相談に乗ってくださったり、コミュニケーションや思いやりの大切さなど社会のことをたくさん教えてくださいました。
  Cさん:勉強のことだけでなく、眼の病気のことなどいろいろ相談に乗ってくださったこと、何回も折れそうになったときに「大丈夫。」「大丈夫。」と言って励ましてくれたことなどです。また、見えない生徒に教える技術や気配りが印象に残っています。盲学校に入学して視覚障害のある生徒や先生方の姿を見て、「見えないことはできないことではない」ことにも気づかせてくださいました。

Q6.これから入学を考えている人に伝えたい「職業科の魅力ベスト3」を挙げてください。既に挙げてくれたことと重複してかまいません。 
A6.
  Aさん:①障害に対する理解があること、②手に職が付けられる学習環境があること、③様々な年齢層の人たちと交友関係をつくることができること
  Bさん:①資格を取ることにより職業選択の幅が広がること、②お互いの施術を受け合い、技術を高め合えること、③施術者に必要なコミュニケーション力や思いやりの大切さを学べること
  Cさん:①「独りじゃない」と思えること、同じ境遇の人がいること。②山あり谷ありのなかで、先生たちが手を離さずに支えてくれること。③視覚障害があっても社会貢献ができる仕事に就けること。

卒業生の声

※ Aさん:50代、弱視男性、ヘルスキーパー
  Bさん:40代、全盲女性、自宅開業
  Cさん:40代、弱視男性、機能訓練指導員
  Dさん:30代、弱視男性、病院勤務

Q1.本校の入学相談を受けようと決めたきっかけは? 情報は何ですか?
A1.
  Aさん:眼科医に勧められました。網膜色素変性症の人は治る見込みがあまりないので、少しでも見えているうちに盲学校で資格を取った方がいいと言われたんです。
  Bさん:名古屋市総合リハビリテーションセンターで視覚訓練を受けていたときに、盲学校の専攻科を受検する人たちが入試のための勉強に来ていました。その方たちから話を聞いて興味を持ちました。学校の情報はホームページを見て知りました。
  Cさん:名古屋盲学校の高等部普通科を卒業して、社会福祉の専門学校に進学しましたが、在籍中に福祉関係での就職先が見つかりませんでした。そこで、盲学校の専攻科にに入学を決めました。
  Dさん:もともと盲学校の高等部普通科に在籍していたため、存在は知っていました。

Q2. 鍼灸マッサージの魅力は何だと思いますか?
A2.
  Aさん:直接人と関わり、直接感謝の言葉をもらえるところが魅力です。
  Bさん:仕事を通して、たくさんの人の心身を癒していけるところが一番の魅力だと思います。
  Cさん:直接人と関わる仕事であること、眼の病気の進行しても続けられるので、自分の将来が見通せることなどたくさんあります。
  Dさん:医療、スポーツなどの分野で働けるところです。

Q3.学校生活の魅力は何ですか?
A3.
  Aさん:視覚障害に関する情報全般を知ることができることですね。
  Bさん:学校生活は忙しいですが、その中で生活しやすくする工夫を身に付けられるので自立への一歩になっていくように私は思います。また、視覚障害のある仲間や先生とのふれあいの中で、元気や楽しみをもらえるのではないかとも思います。そんなところが魅力でしょうか。
  Dさん:障害者福祉制度などを知ることができるところも魅力です。

Q4.思い出の行事、思い出の出来事があれば教えてください。
A4.
  Aさん:臨床実習の授業で、教員の指導の下で地域の方に施術させていただいたことが特に思い出に残っています。
  Bさん:2年生の時に文化祭でちゃんこ鍋のお店をやり、クラスメートみんなで一つのことをやりとげる楽しさを味わうことができたことです。

Q5.熱心に話を聞いてくれた先生との思い出、熱心に指導してくれた先生との思い出があれば教えてください。
A5.
  Aさん:就職活動の時に担任の先生方に色々とアドバイスをいただけたことですね。
  Bさん:熱心な指導、熱心に聞いてもらったというよりは、先生方と楽しく学ばせていただき、楽しく交流させてもらえたことが思い出になっていますね。
  Dさん:マッサージや指圧の技術を学ばせていただいた先生がいました。その先生には日曜日なども勉強会などに参加させていただき、今もその経験が活かされていると思っています。

Q6.これから入学を考えている人に伝えたい「盲学校の鍼灸マッサージ課程の魅力ベスト3」を教えてください。
A6.
  Aさん:①同じ境遇の視覚障害者の人とコミュニケーションがとれること、②一生続けることができる仕事(あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう)の資格が取れること、③医学的な内容について3年間でたくさん学ぶので自分の知識が増えること。
  Bさん:①鍼灸マッサージの一つ一つの技術を、手から手への指導で学ぶことができること、②医学的なことを幅広く学ぶので、たくさんの知識が身につくこと、③教員の指導の下、臨床実習の授業で実際の患者さんに施術をする貴重な経験ができること。

Q7.現在の仕事について教えてください。
A7.
  Aさん:卒業後すぐに就職した会社で、ヘルスキーパーとして週5日、フルタイムで勤務しています。前職は40代半ばまで自営業(飲食業)をしていました。現在は会社員のためコロナ禍でも安定した収入が得られてありがたいです。
  Bさん:2008年から鍼灸治療院を開業し、鍼灸施術を13年近く続けています。施術は、経絡を駆使した方法です。お灸は母やお手伝いをお願いしている鍼灸師の人にサポートしてもらっています。
  Cさん:特別養護老人ホームで機能訓練指導員をしています。
  Dさん:整形外科クリニックでマッサージ業務をしています。

Q8.仕事でのやりがい、喜びについて教えてください。
A8.
  Aさん:施術した社員の方に感謝され、「これで仕事が頑張れるよ」等と言われるのが嬉しいです。
  Bさん:毎日精一杯施術している中で私の原動力となっているのは、やはり、良くなったときの患者さんの嬉しそうな声です。この瞬間を味わう度に、「状況が許すかぎりこの仕事を断念せずに続けていこう!」そんな気持ちが高まります。
  Dさん:マッサージをさせていただいた患者様が「楽になった」と言ってくださる事です。

Q9.仕事での苦労や課題があれば教えてください。
A9.
  Aさん:1人職場なので、技術の向上のためには自分自身で知識を深めていかなければならないことが少し大変です。
  Bさん:もう開業して13年が過ぎましたが、振り返ると、私の施術で目の前の患者さんの健康を大きく左右するという点で、責任の重さに押しつぶされそうなときもありました。今はいろいろな経験を経て、悩んだり、辛い思いを持つことからは卒業したようです。患者さんの喜ぶ姿をイメージしながら、施術の愉しさも味わっています。
  Dさん:電子カルテの字が小さくて確認するのに苦労することです。

Q10. 将来の夢を教えてください。
A10.
  Aさん:身体が動く限りは長く仕事をしていきたいと思っています。あはき業には定年がないので、自分自身の体調管理もしっかりして、生涯現役で頑張っていきたいです!
  Bさん:小児治療に、もっと力をいれていきたいと思っています。まだ、ビジョンは浮かんでいないのですが、同じ志をもつ鍼灸師の仲間と一緒に未来を担う子どもたちの心と身体の平穏に貢献していく、そんな治療院を作っていくことが今の私の夢です。
  Dさん:医療やスポーツの分野でひとりでも多くの人のためになることをしていきたいと思っています。

〔用語解説〕

  1. ヘルスキーパーとは、会社に雇用されているマッサージ師で、社員を専属にマッサージし、社員のヘルスケアを促進するお仕事です。
  2. 機能訓練指導員とは、主に介護施設などで勤務するマッサージ師、またははり師で、関節を動かしたり筋力訓練をして、患者さんが生活するのに必要な力を維持・向上させるお仕事です。