R6 サマースクール報告

R6 サマースクール報告

 令和6年8月23日(金)、本校を会場に「名盲サマースクール」を行いました。 
 地域に在住する視覚障害のある乳幼児から成人の方、その保護者及び教育・支援担当者を中心に、約70名の方にご参加いただきました。
 授業体験コーナーでは、体育館でのフロアバレーボール体験、ロービジョンや低視力に配慮してミシンを使う体験、はさみやのりを使って牛乳パックのペン立てを作る体験など、盲学校ならではの学習を実際に体験していただきました。 
 いろいろな外部機関にもご協力いただき、名古屋ライトハウスによる作業体験コーナーや便利グッズの展示ブース、名古屋市総合リハビリテーションセンターによるパソコンのタッチタイピングや白杖の基本操作を体験するコーナー、視覚障がいライフサポート機構“viwa”による目の相談コーナーなど、多数のコーナー企画を実施することができました。 
 前回に続いてミニ交流会を実施しました。お互いの自己紹介をしたり、ミニゲームをしたりして、視覚障害当事者同士が年齢の枠を超えて交流を深めました。参加者同士はもちろん、支援担当者や保護者同士がつながりをつくる一つの機会となりました。 
 また、昨年度から参加していただいている南山大学人類学博物館に加え、今年度は名古屋大学博物館にも新たにご協力いただき、それぞれのミニ博物館を開設しました。 
 南山大学人類学博物館には、「さわる展示」をコンセプトに、世界各地の民族楽器、約70万年前の石器、縄文時代の土器など、他では決して触れることのできない貴重な品々を展示していただきました。 
 名古屋大学博物館には、学生による丁寧でユーモアあふれる説明を交え、さまざまな動物の標本を中心に、さわる、嗅ぐ、聞くなど、多感覚で楽しむことのできる知的体験ブースを開設していただきました。
 どちらの博物館も、希少価値の高い展示物を直に手に取って観察できるという点が最大の特徴です。サマースクールに参加した子どもたちは、博物館の方から直に説明を受けながら、これまで触れたことのない品々や触感を楽しみながら見学していました。視覚障害のない大人の方は、今回のようなチャンスがなければ決して触れることのできない展示物を目の前にして、むしろ子供たちよりも熱心に触り、質問をしながらじっくり見学していました。 
 名盲サマースクールは来年度以降も実施する予定です。さらに多くの方々に訪れていただける、魅力的なイベントになるよう、さらなる挑戦、新たな試みを取り入れていきたいと思っています。